つくしんぼってなんだろう?
フリースペースつくしんぼは、障害児のための放課後活動の場所です。1998年4月から東京都の福祉デイグループ事業施設として、“学童保育”的な活動を続けています。

わたしたちの町田
 私たちの暮らしている東京都町田市は、障害者に対する福祉が充実していることで全国的にかなり有名(?)とのこと。その理由はと言いますと……福祉の先駆的な自治体だったからみたいです。
 ちょっと例をあげますと、日本で最初に車椅子用のリフトのついた車を導入したのが町田市なのだそうです。また、日本で最初に車椅子に乗った障害者の方を市の正職員として採用したのも町田市なのだそうです。今ではどこの自治体でもごく当たり前になってしまっていることに、全国に先駆けて取り組んできたからこそ、他の自治体から“福祉の町田”と呼ばれてきたのでしょう。
 ただ、この言葉を素直に信じてもらっては困ります。“福祉の町田”という言葉は、あくまで過去の話のような???
 ふと周囲の市を見回すと……町田市より福祉の充実している自治体はいくらでもあります。隣の芝生は綺麗に見える、とは言いますけど、まんざらそうでもないみたいです。
 どうやら“福祉の町田”は、その華麗なる名前の上でアグラをかいて昼寝しているうちに、イソップ童話の「ウサギとカメ」のウサちゃんよろしく、みんなに抜かれてしまったのかな。
 もっとも、この町田市内で暮らし、なおかつ障害児の親である私たちにしてみれば、ただ嘆いてばかりもいられないのです。「アリとキリギリス」のアリさんになって頑張らなければ……。


つくしんぼの
Wバスケゴール
福祉施設の偏り
 町田市には、ハンディを持つ未就学児童のための公設公営の「すみれ教室」という療育施設があります。市内に住む障害児のほとんどは、ここの卒園生です。
また、町田市にはハンディを持つ成人者たちのための多くの授産施設や作業所等が点在しています。無認可で小規模な施設が大多数ですが、少なくとも数的には他の自治体より充実していると言えるでしょう。
 ところが……幼児期と大人との間を結ぶ施設がほとんど存在しないのです。あるものといえば、市内に点在する小中学校の特殊学級と、市内のほとんど北端に位置する場所にある養護学校だけです。(ちなみに、南の端にあるつくしんぼ近辺から養護学校へ通学するためには、片道約一時間の送迎バスに乗らなければなりません)
 偏りはこれらの年代別格差だけではありません。町田市の場合には、施設の地域的偏りというのもあります。
 とにかく、障害者のための施設が市の北部に集中しており、つくしんぼのある南の方にはほとんど存在しないです。市の福祉施設づくりのための土地の取得の問題もあったのでしょうが、この偏りはかなり深刻だったりしています。
 結局のところ、就学の時を迎えた途端、町田市に住む障害児の親たちは、学校と家庭との往復のみ、という生活になってのが現状なのです。
 これって、かなり辛い現実です。学校が終わって帰宅した障害児たちは、一人で外出することのできる健常児たちと異なり、家に閉じこもって遊ぶ以外に方法がないのですから。

自由に遊べる場所はいずこ?
 わたしたちの子供の頃は、自由に遊べる原っぱがいっぱいありました。でも、今はそんな自由きままな場所はどこにも見当たりません。ましてや、狭い路地までに車が溢れ、とてもじゃないけど障害児を一人で遊びに出したりなどできません。
さらに言うと、町田市には児童館というものがたった一つだけ。公民館もたった一つだけ……。障害児を受け入れて貰える学童保育もごく少数で、受け入れて貰える人数もこれまた少数です。
 結局のところ障害児自身も親たちも、八方塞がり状態の中で、毎日ストレスと闘いながら暮らすしか方法がないのです。
 だけど、そんなのって、そんなのって……。

いやだああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!

 だから私たちは、私たちの施設を自主的に始めることにしたのです。つくしんぼという名のみんなで集まることのできる場所づくりを。ハンディをもった子どもたちがのびのび遊べ、なおかつ親同志が集まってワイワイ騒げる場所になることを願って。
 さてさて、つくしんぼという名前の由来ですが……私たちの住む町が“つくし野”という地名だからです。どんな町かというと……ほら、あの「金曜の妻たちへ」の舞台になった住宅街だと言ったら分かってくれるかなあ〜。(古いドラマだから、分からないかも知れませんね)

ず〜っと
同じ写真です。
(^o^)

特定非営利活動法人はらっぱ「フリースペースつくしんぼ」
〒194-0003 東京都町田市小川1511番地
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